陣内病院ブログ

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ガレージ診療3日目

2016.04.20

ガレージ診療が始まった18日の夜のこと。

うちのブログをみた日経メディカルの編集者さんから、
「ぜひ、この内容を日経メディカル Onlineにて紹介させていただけないでしょうか。」
とのメールが届きまして、
昨日、19日、日経メディカル Onlineの熊本地震の速報として紹介されました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/int/201604/546605.html

公式ブログの初発の記事ですので、
まだ検索ヒットも低い段階です。
どうやってたどり着いたのかわかりませんが、
よく見つけるもんだな〜と驚くことしきり。

さすがにプロフェッショナルな情報収集力に脱帽!

 

さて、本日も1日、ガレージ診療をおこないまして
終業後の18時。
1台のトラックがガレージ横に到着。

なにやら立て込みが始まりました。

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こちら、明日から雨天となる、ということで、
来院された患者さんが処方を待っている間、
雨をよけられるテントを張れないか、との要望がDr方からあり、
「今からテントの調達は無理でしょ〜〜〜」と言っていたのですが、
当院売店の鶴本のミラクルアシストにて
テントが2張、調達できたのでした。

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望みがかなってご満悦でテントを写真撮影する院長の図。

このガレージ診療、
どうも4月一杯続きそうです。
5月からは、改修が完了した陣内病院の1〜2Fにて
通常外来の再開を目処に頑張っております。
ご不便おかけいたしますが、
いましばらくは、非常態勢での診療にてご辛抱くださいませ。

さて、テントを張り終わって19時過ぎ。
今度は1台の車が到着。

株式会社PROVIGATEの関水さんです。

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関水さんは、血糖値を涙で簡易測定できるよう
涙糖を研究、涙糖測定器の実用販売をめざし
東京でベンチャー起業された方です。

今回、我々が被災したことを知り、
我々が欲しかったウェットティッシュやブルーシート、カセットコンロなどを
支援物資として自ら持ってきてくださいました!

当院では、過年来より、
「患者さんはもちろん、健常者の方でも
 痛みなく自宅で血糖が測定できるようになるならば」
ということで、関水さん達の涙糖の研究にご協力いたしておりまして、
何人かの患者さんには、
「玉ねぎの汁をアイボンのキャップに入れて
 目を近づけて涙を流していただく」
という若干の荒技(笑)で
研究検体である涙の提供にご協力いただいております。

患者さんにご協力いただきました涙を解析の結果、
涙糖が血糖の指標として有効であることを示すデータが得られたそうで、
ベンチャーキャピタルからの追加資金も調達し、
開発も順調に進んでいる、との由。

まさに患者さんの涙の結晶デス!

痛くない血糖測定器を当院で使える日も
どうやら夢物語ではなくなってきたようです。
楽しみですね!

関水さん、本日は高速が使えない中、
福岡から3時間かけて車を一般道を運転してきてくださり、
支援物資を届けるや、再び福岡へ向けて車を走らせていきました。

長時間のドライブ、本当に恐縮でした!!!

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また、関水さん以外にも、
本当にたくさんの方から、様々な支援物資や労務支援、いただいております。
改めて、たくさんの方に支えられているんだ、と
本当に有難く思っております。

熱いご支援、ありがとうございます!!

みなさんの支援を力に頑張ってまいります!!!


ガレージにて処方対応中です!

2016.04.19

週明けて昨日4/18(月)に当院担当の工務店の方が来られて館内確認いただきまして、
倒壊の可能性はなし、
余震が続けば、3〜5Fに関しては壁材の崩落がすすむが、
1〜2階は修復すれば診療に使える、との判断がありました。

これにて、まずは館内1〜2階での当院の完全な外来診療機能回復に向け、
壁面補修、破損した水道管・情報ケーブルなどの復旧工事を
スタートさせることにいたしました。

工務店の作業と同時進行で
当院スタッフが、館内の散乱した什器や資材を片付けはじめ、
診療できる環境を回復させるための作業を行っているのですが、
現状、壁面補修がまだですので、
壁面や天井の崩落のリスクがあります。

余震の間隔がだいぶ延びて来たとはいえ、
本日も震度4〜5クラスの揺れがあり、
予断を許さない状態です。

館内作業するスタッフのヘルメットが欲しいのですが、
手元に全くありません。
今のところ、危険箇所を確認して、声をかけあいつつ
注意して作業をすすめています。

また、水については、飲料水優先で利用・保存しているので、
掃除はもちろん、
スタッフの汚れた手や顔を拭くのにも水が使えない状況ですので、
病棟でおむつ交換時などに使っていた
ウェットタオルを放出しようということになりました。

明日から、調達は難しいでしょうが、
ウェットティッシュやウェットタオル、おむつティッシュなどを
ヘルメットとあわせて
なんとか確保したいと思っているところです。

 

ということで、完全な外来機能回復のための作業が始まりましたが、
当院、糖尿病専門医であるため、
インスリン治療を行っている患者さんへのインスリン供給は絶対に断てません。
復旧作業のための一時休診のオプション、
当院院長の頭には全くありません。

といって、昨夜のような雨と風になれば、
土曜日のように駐車場で処方対応することは不可能です。

ということで、昨日4/18(月)より、
頑丈な鉄筋造りで、すぐに外に避難が可能な
病院倉庫とガレージに診療拠点を移して、
処方と医療相談を継続しております。

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・・・なんか、ガレージセールみたいですね(笑)

被災初日、棚から飛び出して散乱しまくっていた薬局の薬を
すべて移動して整理して処方対応した
ガレージ診療初日の18日の終業後、
「今日は仕事した〜〜っ。なんか達成感あった。
 新しい仕事つくった、って感じ(笑)」
とのたまったのは、薬剤師の西村。

この窮状にあっても、
積極攻勢にポジティブなスタッフの言葉に救われます。

確かに、今我々は、復旧作業をしているのではなく、
「新しい仕事をつくってる」のかもしれませんね。

ただ、あくまで現時点では、
野外での緊急避難措置というのスタート地点、でありますので、
できることが限られます。

細かい対応がどうしても困難です。
また、万が一の被災リスクを最小限にし、
患者さんがなるべく早く自宅に帰れるよう、
院内滞在時間を極力短くしたいと考えています。

このため、現状、当面は、
  ・前回お渡しした薬剤と同じものを3週間分処方
  ・処方の細かい調整や変更は対応不可
という一律処方で統一させていただいております。

館内の補修が完了し、
館内での処方対応が可能となりましてから、
改めて調整対応させていただきますので、
何とぞ、しばらくの間はお許しいただきますようお願い申し上げます。



ありがたいことに、前回のブログ記事をみた関係各位から
たくさんの支援メッセージや支援物資が寄せられており、
卸しさんの協力にて1ヶ月分の飲料水や食料などが確保できました。

お薬も卸しさん、製薬会社さんのご尽力にて安定供給いただいています。

ご支援、本当にありがとうございます。
たくさんの方のご支援でこのまま処方継続できる見込みです。

心から感謝を感じますとともに、
こうした支援がなければ絶対に乗り切れない、という
被災地の現実を痛切に感じます。

支援物資が届かない避難所や拠点施設がまだたくさんあります。
各地からの支援物資が被災地全域にいきわたり、
1日もはやく様々なインフラの障害が解消され、
ライフラインが復旧することを願っています。

それと・・・しばらく余震が続くのは
自然の摂理として覚悟するしかない、としても、
どうか夜間の震度5~6だけはやめてくれよ神様〜〜
と祈るばかりです。


熊本地震被災

2016.04.17

ホームページをリフォームして初めての公式ブログにUPする記事が
こんな記事になるとは夢にも思っていませんでした。

4月14日(木)21:26に震度6弱の地震発生で始まった「熊本地震」にて
当院全館が被害を受けております。

什器が倒れ、中にあった資料、PC機器類が
部屋中に散乱。
DSC01180

開院の1977年から保存しているカルテ倉庫に至っては、
この状態。
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部屋の1/3の高さまでカルテの海。
水深1~1.5mといったところ。

壁面の崩落も多数。
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こちらは病棟の病室の壁です。

最初の地震直後より、
入院患者さんがこのまま館内で夜を明かすのは危険、という判断にて
すぐに院外避難所に退避の後、
翌朝までには、帰宅・転医・転所を完了しました。

その後も、ずっと余震が続いている状況です。

診療に必要な医療機器やシステム機器は幸いなことにほぼ無事なのですが、
大きな揺れが来ると一時的な停電が起こるため、
安定的な稼働は望めません。

何より、断水のために検査機器や透析機器が正常稼働が不可能な状況です。

水道局からは、完全復旧まで早くて1週間かかるとの見込みが示されており、
透析患者さんについては、15日の朝に、
災害拠点病院である済生会熊本病院の透析センターに緊急受け入れを要請し、
治療内容の引き継ぎと患者さんへの連絡を完了しました。

外来診療については、断水で検査ができないため、
当院の完全な診療が提供できない状況にありますので、
15日(金)は定期処方のみの対応とさせていただきました。
DSC01195
ただ、これも16日未明にあった
(現時点で本震とされている)震度6強の地震によって、
壁面損傷、崩落がすすみ、
今後の余震(本震?!)によっては、
もはや倒壊のおそれも否定できない状況です。

また、館内のどこかで水道管の破損があったようで、
補助タンクから供給をはじめると
漏水でフロアが水浸しになってしまいます。
水道が回復したとしても館内への給水は不可能な状況です。

壁面・天井損傷箇所で情報ケーブルの断線もあっているようで、
外来フロアが業務システムのサーバに接続できなくなりました。

これにより16日(土)は館内での処方対応が難しくなり
病院裏の駐車場にて処方対応させていただきました。
DSC01214
こんな状況でも、来られた患者さんの無事な姿を見て、
言葉をかわし笑顔をかわせると、お互いに本当に安心できます。

この日は、出勤できるスタッフのみ、で
処方対応と自力でできる範囲の復旧作業をいたしまして、
終業いたしました。
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スタッフも皆、一様に自宅でも病院同様の被災状況があり、
片付けては余震で散乱する、家具が倒れ壁面が崩落する、といった状況で
家の中では寝られる状況になく、
車中生活や避難所生活を余儀なくされていたり、
16日未明の本震で自宅が完全に倒壊した者もでてきております。

震源が浅い活断層地震、ということで、
揺れる時間そのものは短いのですが、
今まで経験したことがない突然突き上げるような揺れで
震度5〜6クラスの地震が毎日発生し、
10〜20分置きに震度3〜4クラスの余震が繰り返され、
震度1〜2クラスの余震については、
すでに気にならない位の常態になりつつあります。

断水の長期化で
被災地全域で飲料水が調達できない状況なのですが、
水の都である熊本にあっては、
本当に皮肉なことにその地下には阿蘇の伏流水が豊富にあります。

この地下水脈が、
ひたすら続く余震で地盤の液状化現象をもたらし、
道路が地割れをおこし、泥水が噴き出す箇所も増えてきました。
DSCF1863
これを見るたびに、
インフラの寸断や、地盤沈下による家屋倒壊といった
二次災害被災に対する危機感もつのり
我々の心を不安定にしています。

患者さんもスタッフも、熊本市民全員が、
体力的にも精神的にも非常に厳しい状況にあります。

余震が収まらないことには、
復旧作業もままならない状況です。

はやく余震がおさまりますように!
これ以上、熊本の被害が拡大しませんように!

被災された方すべての無事と安全を祈っております。
本当に辛い状況ですが、なんとか皆で頑張って乗り越えましょう!!!