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ブログ 月別: 2018年5月

熊日新聞に掲載されました!

2018.05.22

5月20日(日)の熊本日日新聞の朝刊にて、
当院会長 陣内冨男の坂口賞受賞が紹介されまして。

こちらをご覧になったたくさんの方から、お祝いのご連絡を頂き、
中には、思いもかけず懐かしい方の元気な声が聞けたり、と
嬉しく過ごしております。

半世紀以上もの日々を、
この熊本で糖尿病専門診療一筋で仕事してこれたのは、
たくさんの方のお力添えを頂いたからこそ、であります。

来る5月24日の東京での授賞式では、
陣内冨男の糖尿病診療を支えてくださった皆様を代表して
賞を受け取ってまいります。

本当にありがとうございます。

坂口食って知ってる?

2018.05.12

5月13日(日)は、当院会長の陣内冨男のお誕生日でありまして。

今年は会長の橋寿と
日本糖尿病学会「坂口賞」受賞のメモリアルイヤーということで、
全職員で、ケーキと花束を贈呈してお祝いしました。

ケーキに刺された旗は、会長の大好きな日の丸のミニ国旗。
1つ1つに職員が祝福のメッセージを書いているのですが、

これをみんなに書いてもらっている時、
とある職員とこんなやりとりになり。

「坂口賞って、『坂口食』の坂口かな? うわ〜。懐し〜〜。」
「そうそう。その坂口Drのお名前を冠した賞です。
 ・・・って、後藤さん、『坂口食』経験ありなんですかっ!!
 どんなのだったんですかっ?!」

時代は大正初期。
日本の近代糖尿病学の父、坂口康蔵先生が、
東京帝国大学青山内科にて、
「血糖調節と糖認容力」「糖排泄」の研究に尽力されていた際に、
その研究の中で考案され用いられていた米飯試験食が
「坂口食」として、昭和半ばまでの日本の
糖尿病診断の検査のスタンダードとなっていました。

その内容がこちら。

米飯270g、鶏卵2個。
早朝空腹時にこれを摂取して、
30分毎に3時間、耳朶採血にて血糖値を測定。

ブドウ糖が精製されてない時代の糖負荷試験であります。

空腹時とはいえ、食べきるにはなかなかの量ですよね(汗)。

患者さんから
「せめてタクアン1切れくらい、もらえんだろか。
 これだけじゃ、飯が喉を通らんもん。」
という声が多数上がり、
後に、少量の香のものは添えてOKということになり、
熊大では、タクアン2枚が追加になったそうでございます。

陣内冨男が、熊大の体質医学研究所で
糖尿病診療と研究に没頭していた50余年前は、
(いかにも若き研究者って感じですよね)
         ↓

研究所で検査を担当していた後藤さんはもちろん、
糖尿病外来のスタッフ総出で
その日来院する患者さんの人数分の坂口食の準備をし、
冬の寒い朝には、耳朶採血が取りやすいようにストーブを炊いて待合室を温めて
患者さんをお迎えしていたのだとか。

そうやって早朝まだ暗いうちから出勤して
あたふたと診療準備に追われているスタッフの姿に、
いつしか患者さんが、
「わしらのために、先生方も朝早くから大変じゃろう。
 何か、わしらが手伝えることがあれば。」
と患者さんもまた早朝から来てくださって
検査の準備を手伝ってくださるようになった、というのが、
全国初の糖尿病患者会、熊本県の「かいどう会」の始まりだったのだそう。

なんだかいかにも三丁目の夕日的エピソードですよねぇ。

当時の坂口食を使った糖負荷試験の採血検査では、
当然、少量の耳朶採血をスっと吸引してくれるセンサーなどあるはずもなく、
検査技師が細長いチューブで患者さんの耳朶血を口で吸ってチューブの中に吸引し、
それを測定機器にかけていたのだそう。

「糖尿病患者さんの血液って固まりがあることが多いから
 チューブに詰まってしまうこともよくあって。
 それをチューブの外からつまんで柔らかくして通るようにして、
 もう一回チューブの所定の目盛りの量まで吸引しようとすると、
 今度は勢いよく入ってきて、
 患者さんの血液が自分の口の中に入ることもあったのよ〜。
 今思えば、感染してなくて本当よかった!」

という、感染症対策が常識となった今となっては
なかなか恐ろしい思い出話も伺えまして(汗)。

近代糖尿病治療の夜明けは、
こうした献身的なスタッフの頑張りで支えられていたんですね。

その後、昭和52年に陣内病院が開院した時には、
ブドウ糖液「トレーランG」を使っての糖負荷試験になっていたそう。

当時を知らない我々としては、今の糖負荷試験も
「朝から空腹に甘いの飲んで何度も採血して大変!」
と思ってしまうんですが、
米飯270g+生卵2個+タクアン2枚 を考えれば辛くないですね(笑)

と、こんなお話を教えてくださった後藤さんが、こちら。

「いやぁあ〜恥ずかしいから写さんで〜〜〜!!!」
とのことでこのようなショットになっておりますが、
熊大時代から病院創設時まで、
会長と共に仕事をされていた後藤さんにも
坂口賞、贈呈したい気持ちです!

いつも明るい笑顔と楽しいおしゃべりが素敵な
陣内病院の創設時8人の1人の検査室初代メンバーであります。
当時の糖尿病の検査方法を知りたい若者や、
当時の糖尿病診療の思い出話を語りたいご年配の方、
いずれも、お気軽にお声掛けくださいねっ!