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ブログ 月別: 2016年5月

ガレージ診療終了!

2016.05.07

本日5月7日(土)をもって
病院裏倉庫・ガレージでの診療を終了いたしました!

非常措置として大変不十分な状態での診療となりましたが、
患者さんはじめ、関係各位の皆様のご理解とご支援にて、
滞りなく定期処方のお薬を患者さんにお渡しすることができました。

本当にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。
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現在、病院本館の内壁補修工事が進行真っ最中でありますので、
2Fまでの補修が完了する5月16日(月)から通常診療再開を、
という話になっていたのですが、
「5月9日(月)から病院でやる!」
という院長の決定にて、
現時点で、補修工事が完了した病院本館1Fにて
先行して、通常の外来診療を再開することになりました。

ホームページ上の情報も錯綜しまして申し訳ありませんでした。

・・・という状況ですので、
5月9日(月)の週は、2F以上は引き続き、内壁の補修工事のため、
立ち入り規制箇所が生じます。
また、それによって、一部の生理機能検査ができない場合もありますし、
入院・透析診療については、補修工事が完了してからの再開となります。

今月いっぱいは、工事作業員の出入りや、工事音などで
ご迷惑やご不便をおかけすることもあるかと存じますが、
安全な診療環境をとりもどし、皆様に安心して診療を受けていただくために
日々、部門ミーティングで状況をアップデートしつつ、
その時々で必要な措置を検討し、最善の安全対策を構築しております。
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当面は、限定された条件での外来診療となりますが、
何卒ご理解をいただきますようお願いいたします。

 

また、熊本地震、しばらくは余震に警戒が必要な状況が続く見込みです。
万が一、診療時間中に大きな揺れが発生した場合、
安全のため、館外への避難が必要となる場合も考えられます。

今回、待合室からの避難口を3つ確保し、
サイン表示させていただいておりますので、
ご来院の際は、あらかじめ避難口のご確認をお願いいたします。

また、万が一の避難の際は、
落下物や避難口に殺到してのパニックによる
二次被害で受傷することが絶対にないよう、
スタッフが安全な避難路を確認し、避難誘導をいたします。
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当院に診療に来られた方に、
一人たりとも怪我をさせたくありません。

緊急避難が必要な際には、
必ず、スタッフの指示に従っていただきますよう
お願い申し上げます。

我々が皆さんを絶対にお守りします!!!
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5月9日(月)より当面、余震が続く間は、
朝7時に正面玄関解錠、受付開始は8時からとさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

・・・さて、その日の帰路、
熊本市民の安全を守るために、
災害派遣でパトロールを行う兵庫県警のパトカーを発見!
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本当にお疲れさまです!
どうかよろしく頼みますっっっ!!!

熊本の水のおはなし

2016.05.05

震災後から断水が続いていた水道に、
弱圧ながら試験通水が始まった4月23日(土)のこと。

ガレージ診療が始まって
毎日12時に召集して情報共有している部門ミーティングにて
検査機器の動作チェックが完了したとの報告を受けて、
こんなやりとりがありました。

「水道水が濁ってるけど、検査機器は大丈夫?」
「不純物は多くなってるけど、どうしようもない。
 検査機器側のフィルターをこまめに交換するしかないと思う。」

 

熊本は、ほとんどの自治体の水道が地下水源で賄われております。

さらには、使われる地下水源のほとんどが
そのままの状態で飲料基準をクリアしているため、
ろ過する必要がなく、
滅菌と塩素処理だけで水道供給を行っているところが多いのです。

要するに水道供給施設に「ろ過の設備がない」。

これが、今回の地震で地下水が濁ってしまった結果、
「水道水が濁る」という問題をもたらしていました。

 

熊本の地層は
過去4回大噴火を起こした阿蘇山の火砕流の層でできあがっています。
地下水都市・熊本の地質図
出典:澄清の地下水都市・熊本

噴火の際、大地のすべてを焼き尽くし、埋め尽くした恐ろしい火砕流は、
何万年を経た現在、その火砕流の構成成分である軽石や火山灰が、
雨や水田用水、生活排水などのあらゆる雑水を大量に吸い込み ‘ろ過’ する
天然の巨大な『ミネラル浄水フィルター』となっているわけで。

熊本市内に多くの湧水を産み出している火砕流の層が「ASO-4」。
その深さはおよそ40m。
今回の熊本地震の震源が地下10km。
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地表でさえこんなにクラック入っているんですから、
ASO-4だってクラック入ってるよな〜、というのは
想像に難くないですよね。

前震、本震と、昨日で1,200回を超えた余震が続く中で、
 「近くの湧水が止まったり、
  いつもはそんなに出てない湧水の水量が増えたりしてるんだよ。
  ASO-4が割れて水脈が変わってるんだと思う。」
とは熊本でも有数の湧水地、江津にお住まいの稗島Dr。

こちらは4月2日に、NHKのブラタモリ
「住宅街で見つけた“美しすぎる”川」として紹介された
藻器堀川の水前寺公園近くの水神様がある湧水スポット。
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確かにここも、湧水の数、本日、激減しておりました(涙)

水前寺公園の湧水池の水が枯れてしまった!というニュースに
思わず、見に行ってしまったのですが、
5月5日現在、こんな感じ。
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おみやげ屋さんの話では、
これでもだいぶ水が戻ってきてるのだそう。

「大丈夫です!きっと元に戻りますから。
 それより、私たち、
 これがYahooニュースのトップになったことの方で
 みんなで興奮しちゃってて!!!
 うち(水前寺公園)が全国区のニュースになることなんてないから(笑)」

・・・うう〜ん。自虐的なのか前向きなのか。
ま、なんせ明るいのはいいことですね(笑)。

いろいろ打ちのめされる現実ばかりですが、
それを笑い飛ばせるパワーに触れると、
なんだか元気になれます。

 

そしてさらに稗島Dr談。
「ブラタモリのおかげで、今年のGWは、
 熊本の新たな一面を見に来てくれる人が増えるな〜と思ってたのに。
 熊本、やばいよね。
 でもASO-4がダメでも我々にはASO-3,2,1があるっっ!!!」
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予震の後、一旦お片づけしたデスクが、
翌日の本震で再びこの惨状となり、トホホ顏の稗島Dr。

そのポジティブさで、デスクのお片づけも頑張りましょうっ!(笑)

 

水道水はその後、4月31日より通常水圧での供給が始まり完全復旧。
水は透明さを取り戻しつつあります。
熊本県内、あちこちで止まってしまったと噂に聞く湧水の数々も
復活することを祈るばかり。

なんとか調整、頑張ってくれ、ASO-1,2,3,4!!!
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自然は大いなる厄災をもたらすが、大いなる恵みももたらす。

熊本地震を体験して、
そんな日本人古来の宗教観を肌で感じることが多くなっています。

 

余談ですが、最近、ブラタモリの熊本編の録画をリピート再生しまくっています。

あのタイミングで美しい熊本の姿を撮影してくださったこと、
NHKの企画スタッフの皆様に本当に感謝しています。

なんとかあそこまで戻したい、ですね。
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壁面補修、進行中!

2016.05.01

5月に入りまして、1日は日曜日。

館内補修作業で発生する粉塵対策のために
精密機器をまとめて保全した部屋を
当面のサーバ室として機能させるために休日出勤したところ、
昨日、全館チェックが終わり、
現時点での安全宣言があったとの朗報がありました。

よかった!!!

心配していた看板も大丈夫!との由。
新館の赤レンガ調のタイルが崩落した部分の補修も完了です。

ただ、この剥がれたタイルは、
里美理事チョイスの有田焼の特注品であり、
同じものの入手は不可能との由。

となると、このコンクリ補修のまま、ということになりそうです。
なかなかせつないですが、仕様がないですね。
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窓の告知もリニューアル完了です。
やっぱ、左読みだと一目でわかりますね。
左読みの威力、改めて確認(笑)

この土日で外壁同様、内壁の補修も急ピッチで進んでいました。

一番、崩落が激しかった3F病棟の内壁が
現段階でこんな感じ。
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陣内病院は、ホームページの沿革にてご紹介しております通り、
昭和54年に旧館(外壁が白い壁)が完成、
その後、昭和58年に新館(外壁がレンガ調のタイル)が増築されております。

こちらは3F。左が新館、右が旧館のつなぎ目の部分。
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現在、つなぎ目のカバーが取れてしまっており、
旧館と新館の隙間が見えてしまっております。

この隙間は、2つの異なる建物が地震にあった際、
それぞれの建物が固有振動で別々に揺れても干渉しないための
耐震対策として開けてある隙間であり、
地震の際には、そのカバーが取れるように施工されています。

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要するに、これ、隙間が空いていて正解!
カバーが外れて正解!なのですが、
被災直後は、それを知るスタッフが少なく、
「地震で建物に隙間ができた!」と思い
恐怖のどん底に落とされたスタッフ多数。

「知らないこと」が無用の不安を産みました。

今の建築だと増築の際は、
壁と壁の間を10cm位あけるんだそうですが、
うちの場合は5cmで施工されておりますので、
隙間に落ちる心配はありませんが、
カバー補修が終わるまでは、
つまずかないよう足元の注意が必要ですね。
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この旧館も新館も、理事長曰く
「(支柱は)岩盤に当たってからも、よけいに打ち込んである」
〜ということで、
その時々の耐震基準を完全にクリアする設計施工で出来上がっております。

このため、旧館は
旧耐震基準の「震度5程度の地震に耐える」の条件と
昭和46年に強化された「鉄筋コンクリート構造建物の柱帯筋の基準」を
クリアしておりますし、
新館は、
昭和56年に出された新耐震基準「震度6強以上の地震で倒れない」の条件を
クリアしております。

また、病院立地の地盤もギリギリで「砂礫質台地」に位置しておりまして、
比較的揺れにくい地盤にあります。
(もう少し立地が南であれば、谷底低地で揺れやすい処になります)
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朝日デジタル揺れやすい地盤より

これにて、今回、予震と本震、その直後の余震にて、
合わせて4度の震度6をくらい、
観測史上初の1,000回を超える余震にも耐え、
壁材崩落はあるものの、倒壊を免れることができています。

この現実を経験すると、
これまでいくつか報道であかるみになった耐震強度偽装事件、
改めて言語道断な事件だと実感しますネ。

リスクが把握できてないと、
いざという時の対処がどうしたって甘くなります。
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こちらは2F患者食堂へ向かう内壁。

現時点で、支柱・鉄筋は大丈夫、ということなのですが、
壁材は、何トンという巨大な力の余震と本震で
コンクリートが一気に圧縮されていますので、
今後の余震によっては、再びの崩落のリスクはあります。

また、考えたくはありませんが、
活動する断層が複数に拡大してきている以上、
今後、震度6を超える本震が来る、という最悪のシナリオも、
絶対にない、とは、もはや誰にも言えない状況です。

やはり備えておかねばなりません。

過日の全体会議でも、
外来診療再開後、再び震度6を超える地震が発生した場合の、
避難経路・避難誘導についての検討も行っております。
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昼の部門ミーティングでちらっとその話を出したら、
夕方の全体会議では出来上がっていた
外来主任、藤野Nrs作の避難経路図(案)がこちら。
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いつもながら、仕事はやっっ!!!

これに基づき、いざというときに、
患者さんの安全を守るための最善の措置、
来週、検討を詰めてまいります。

5月9日(月)に館内での通常診療を再開する予定ですが、
今後、余震が続く間は、
いつでも避難できる状態を確保する措置をとりますので、
ご来院される患者さんにも、
いくつかご協力とご理解をお願いすることが出てきます。

この辺は、ご来院の際に、待合室にてご案内さしあげますので、
余震が続く間は、どうか事情をご理解いただきまして、
ご協力いただきますようお願いいたします。

上にupしました壁面のヒビや崩落部分の補修ですが、
おそらく、今後、資材が確保できしだい、塗装が施されます。

補修跡が痛々しい、恐ろしい、と言われれば、その通りなんですが、
じっと見ていると、不謹慎な言い方かもしれませんが、
モダンアートとしてはかなりイイ線いってるような気が・・・(笑)。

やっぱ、職人技って、すごいっっ!!!

GW突入です。

2016.04.29

GW初日です。

もろもろ問題は山積みですが、
とりあえず、昨夜は比較的余震も少なく、久しぶりにゆっくり眠れたので、
ちょっとだけ今日は現実逃避したい!、という思いで
天草方面にドライブしてみました。

この晴天なら、キラキラ光る紺碧の海がみれるぞ〜
と思って出た海岸線がこれ。
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どんより泥色の海。
そういえば、昨日、有明海震源の余震があったのでした。

宇土の網田あたりの海岸線ですが、
この辺も被災家屋が点々とあり、
道路脇の堤防も所々くずれています。

そもそも、GW初日に熊本屈指の観光スポットである天草方面に向かう道に
車の渋滞が全くない、というのが既に異常事態です。
DSCF1939
どんよりした海をみながら、どんよりした気持ちで、
御輿来海岸でコンビニ食のブランチをとり、
時間があるから、もう少し足をのばそうか、と
三角西港に行ってみたところ・・・

・・・ありました!紺碧の海!!!
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奥にみえるのが天草五橋の1号橋「天門橋」と
建設中の「新天門橋」。

普段の休日であれば、
観光客と釣り人で激混みのスポットです。

明治政府の殖産興業政策で
海外貿易も視野に築港された港ですので、
明治大正の ‘ハイカラ’ な洋館建ての建造物が残っています。
DSCF1902
その中の1つ「旧三角西裁判所」は
映画「るろうに剣心」のロケ地として使われたということで、
こちらを訪れる若いカポーが増えていたのですが・・・。

GW初日にもかかわらず、
平日かな?と思うくらいガラガラです。

「今日、ここに来てる人って、県外の方じゃなく、
 連日の復旧作業の疲れを癒したい、って近場にドライブに来た
 地元の方ばっかりですよね。

 見ていただいてわかるとおもいますけど、
 この辺は、ほとんど地震の被害がないんですよ。

 テレビは益城や南阿蘇の悲惨な現場しか報道しないから、
 今日、ここに来るはずだった観光バスも何十台ってキャンセルされていて。

 僕としては、天草は大丈夫だから、ぜひ来てください!って伝えたいんですよ。」

とは、そこに撮影にきていたNHKのクルーの弁。

かっちょいい〜〜〜っっ!!!

熊本愛あふれる報道魂に感激したので、
病院には全く関係ないのですが、書いちゃいました。

GWは始まったばかり。
本日、九州自動車道も全線通行可能になりました。
まだGWのお出かけ先が決まってない方、
ぜひ、三角〜天草にお越しくださいね!!!

天草の海、美しいですよ!

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ほんとは、このNHKのクルーの方の写真をupしたかったのですが、
その前に、三角港で水の補給を行い、三角西港経由で熊本港に給水支援に向かう
国土交通省の海洋整備船「海輝」(上の写真中央)に偶然遭遇し、
再びテンションあがって写メ撮りまくり
スマフォが電源落ちしてしまっており(涙)。

NHKのクルーの方、頑張って下さい!
その魂の言葉が、たくさんの方に伝わりますように!

ガレージ診療10日目

2016.04.28

本日は、病院外壁のチェックが入りました。

我々が最悪の崩落事故想定として一番恐れていた
病院看板のチェックです。
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看板に一番近い窓が、
医局の稗島Drの執務デスクで、
そこから目視した限りでは
いつもと変わりはなかったのですが・・・

大きな余震がこないうちに、
プロの目のチェックと必要な措置が完了してほしいところ。

どうかよろしく頼みます、職人さんっっ!!!

で、こちらは、白山通りに面した病院2Fのガラスに貼らせた
現在の病院診療のご案内。
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・・・なぜに右読みなんだ、広報班の医局事務スタッフよ(笑)

聞けば、貼付終盤になって ‘右読みに貼っている’ 
ということに気づいたらしいのですが、
他にやることが山積みの時期だったため、
「わかればいいだろ」で、そのまま強行で貼ったらしく(汗)。

他のスタッフからも
「あれ、何で右読みなんすか?明治時代じゃないんだから。
 そうとうじっくり読まないと一見して意味わかんないですよ。」
とツっこまれて、現場に確認に行ったらば、
陣内病院前の白山通りを信号待ちで止まっている車が
この張り紙をみて、一様になんだかニヤニヤしているのを目撃。

思えば、ツっこみ入れてきたスタッフも同じ顔でした。

この白山通り、いつもの通勤ラッシュに加えて、
昨今、夕方の銭湯渋滞が激しいのですが、
イライラしてるドライバーが、病院横に差し掛かって、
暇にあかせて、この張り紙をじっくり解読したあげく、
「なんで右読みなんだよっ!明治時代じゃね〜んだからっっ!」
と突っ込んで、一時でも笑ってくれるならば、
ま、それはそれで広告戦略としては「あり」かな?と(笑)。

ただ、本日の全体会議で、
病院館内での通常外来再開がGWあけの5月9日(月)から、
ということが決定いたしましたので、
今度は、きちんと一発で伝わる情報伝達を行うべく、
土曜日には告知更新、ということで貼り直ししたいと思っております。
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さて、本日も、来院された患者さんの目に触れない
ガレージ診療を支えるバックヤードの一場面をご紹介。

野外で診療するスタッフはもちろん大変なのですが、
壁材崩落のリスクや漏水のリスクと戦いつつ
館内作業に従事するスタッフも大変です。

こちらは、受付の様子。
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4回線の電話応対部隊と、
来院予定者のカルテを棚からピックアップしてガレージまで届け、
診療・処方後のカルテを持ち帰る、という伝令部隊になっています。

月末の保険請求時期となっておりますし、
本震で医事会計システムの障害が発生して回復するまで
数日入力作業ができなかった分をキャッチアップすべく
今週より、受付事務がPC入力に専念しておりますので、
こちらの部隊、
病棟・外来・検査室の即席混合チームで編成されております。

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今週より館内補修工事が始まっているため、
粉塵対策と感染症対策でマスク着用しておりますが、
活きのイイ笑顔、わかるでしょ!

受付からガレージに行く途中にあるこのデスクは、
先週まではなかったんですが、
電話対応やガレージではできない細かいチェックを担当するために
新たにできた「関所」の模様。

on the jobで出来上がっているとは思えぬ効率的なシステムに驚愕!

院長が朝礼でいつも言われる
「迅速・適切・的確に対処」の訓示の賜物デスネ(笑)

受付事務スタッフによる医事システム入力班もフル稼働中。
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普段この業務を行っている事務室が
本震後の雨の日に、天井の換気口から
排水管の水が滝のように流れてくるトラブルが発生。

そこで初めて天井上の排水管が破損していることが発覚し、
現在、排水管を途中で塞ぐ、という応急処置だけで修繕待ち、の状態のため、
念のため、医事システムの端末PCを待合室に移動して入力対応しています。

ただ、作業上、いくつかのPCは、
専用回線の都合で事務室から動かすことができず、
もしも、に備えて、
防水シートをかけまくった状態での入力を余儀なくされており。
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デスク脇のリポDが泣けるねぇ(笑)

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愛知にいる妹さん。
お姉ちゃん、頑張ってるよ!
愛知からパワーを送ってくださいねっっ!!!

 

 

復旧作業進行中!

2016.04.27

本日は朝から雨。
今週は明日まで雨模様の予報。

テント内での待ち時間は辛いはず。
本当に申し訳ありません。
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また、今週に入って、お電話での問い合わせが増えてきております。

4回線で間に合わなくなり、
一部、自動応答メッセージにて
時間をずらして再度お電話いただくよう
お願いしなければならなくなりました。

本日、お電話がつながりにくかった患者さんには、
本当に申し訳ありませんでした。


避難訓練想定外、未体験ゾーンであったガレージ診療も
スタッフ全員の献身的な連携プレーで維持できておりますが、
Dr方としては、専門医でありながら、
限られた対応しかできないこの状況に、

「患者さんとお話するのも大事なんだけど、
 やっぱりもどかしいね〜。
 本当は被災直後の今こそ、
 ちゃんと検査して診てあげなきゃいけないのに!」

としびれを切らしておられます。
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しかしながら、もうしばらくこの状態でやらざるを得ない状況です。
何卒、何卒、お許しください。

 

さて、1~2Fの補修工事が最優先で進む中、
ほぼ本震直後の惨状のままで放置されていたのが、3F以上のフロア。

今日は、その3F以上のフロアの補修工事の準備が始まりました。

こちらは4Fの透析室。
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施工業者さん達が、
何やら指し棒のようなもので、壁面をなぞりながら、
「ここはコンクリ、ここが支柱、ここは石膏ボードだから・・・」
などの会話が飛び交います。

これ、「打診棒」というのだそうで。
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先端の丸い金属を、壁面に滑らしたり、
軽く叩いたりすることで出る「音」の細かな違いで
壁材の種類や、外からは見えない内部の浮きや剥離がわかるのだそう。

写真撮影している間、ずっと一緒に音を聞いていましたが、
私に聞き分けられるのは、
壁の上を金属の玉が「擦って」いるのか、
「叩かれて」いるのかの違いのみ(涙)

熟練の職人さんって、すごいっっ!!!

市内全域で補修工事が始まっており、
職人さんにおかれましては、
激務も甚だしい状況、と拝察いたしますが、
患者さんが安心して診療を受けていただけるよう、
ぜひぜひ、よろしくお願いいたします!


そんな中、
補修工事とお片づけの優先順位のヒエラルキーの最下層になっているのが、
Dr各自の執務デスクがある4F医局。

最初の地震の後、みんなで倒れかかった什器をとりあえず床に安置し、
ざっくりとお片づけをすませて帰ったその夜に本震をくらって、
再びこの惨状。
DSC01211
どこから手をつけたらいいのやら。
片付いたとして、次の余震がきたら、またこうなるわけで。

入り口でこの光景をみただけで心が折れてしまって、

「・・・1階と2階を先にしよう。」

と固く思い定めて本日まで完全放置してまいりましたが、
こちらも、外来環境がおおよそ回復した今日から
ようやく手を入れ始めまして、
明日には、各自のデスクまで障害物競争することなく
たどりつける状態にはなるはずです。

こちらは院長室。
DSC01212
・・・ま、院長先生に関しましては、
「あんまりいつもと変わらないんじゃ?」という噂もあり(笑)。

さて、ここで再び業務連絡です。

院長先生、
ここから「いるもの」と「いらないもの」を
ダンボールに仕分けをしていただけると、お片づけのお手伝いができます。
なるべく早めに、ご対応いただきますようお願いいたします(笑)。

ガレージ診療2週目突入!

2016.04.26

熊本地震11日目の朝-。
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熊本市内は霧がおり、
なんだか幻想的な風景の中の出勤となりました。

ガレージ診療の朝は、
受付事務の古庄の「開店ガラガラ」で始まります。
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「全部、一人でできますよ!
 私、バイク屋の娘でよかった〜〜〜」
とは古庄の弁。
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ホント世の中、どこで何が幸いするかわかんないよね(笑)。

地震でひび割れ、くずれた病院館内の壁材を補修するため、
病院の正面を閉鎖して入れないようにし、
ガレージへの誘導人員も増やして対応しているのですが、
それでも古くからの患者さんは、
勝手知ったる裏口から病院内に入ってきてしまうことがあり。
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「地震で壁がおちていて危ないですから、館内には入らないでくださいね」
と、外に誘導しなおすと、
「病院だから大丈夫かと思って」
と、言われる高齢者が続出。

「どこだって地震で中がぐちゃぐちゃになってて
 危ないってわかるだろうに、
 なんで建物の中に入ってくるんだろう?」
と話していたらば、
「昔は鉄筋の建物って病院くらいしかなかったから、
 戦争の時、まわりが焼けても病院だけ焼けずに残るじゃないですか。
 病院は爆撃されない、というのもあるし。
 だから高齢者には、‘病院は大丈夫’ ってイメージがあるんですよ」
とよどみなく答えたのは、医局事務の椎葉。

確かに〜〜〜!!!

しかし、何でそんなこと知ってるんだ。
実は昭和一桁だろ、という
年齢詐称疑惑で笑いあっておりました。

いろんなスタッフの意外な才能が発揮される
ガレージ診療であります。

 

さて、本日は半日診療日。

午後から、熊本港で給水活動をしている巡視船を見たいがために
疲れをおして熊本港へいっちゃいました。

今日、給水活動と入浴支援を行っていたのは、
海上保安庁の巡視船ではなく、
国土交通省の海洋環境整備船でした。

こちらは「海煌」
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バリバリのソナーがかっちょいい〜〜!

たまたま見ていた時間帯で
水補給のための船の交代があり、
海洋環境整備船「海煌」と「海輝」の
両方の雄姿をみることができました。

こちらが「海輝」
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わ〜い。両方見られて、らっき〜〜〜!!

港内にいた国土交通省の中の人によると、
三角港か八代港で給水タンクの水を補給して、
交代で給水支援を継続されているんだそう。

陸橋の崩落や路面のクラック、土砂災害などのインフラ障害で
道路からの補給線が絶たれる地震の際、
こうした海上からの補給って、機動力・供給力あって心強いですね。

また、今回、余震多すぎ!で、家で眠れない方々が
車中泊のための駐車場確保で、市内あちこちを多数さまよい、
翌朝にはガソリン給油渋滞がおこったり、
長引く断水によりお風呂に入れない方々が
夕方には銭湯の駐車場に入るための渋滞ができたり、
という、思わぬ大渋滞が発生しております。

実際、市内のスーパー銭湯にいったスタッフの話だと、
銭湯施設に入るために列をなし、
ようやく銭湯の中に入れたと思えば、
洗い場を使うために全裸で並ばなければならない、
といったような状態だそう。

熊本港の入浴支援だと、家族湯状態で入れるそうですよ。

大変失礼ながら、いままで、
国土交通省を身近に感じることがついぞなかったのですが、
なんか、テンションあがってすごいパワーもらえました。
本当に大変なお仕事、ご苦労さまです!

今週に入って、疲れが ‘身体の芯から’ な感じに変わってきてます。
かなり辛い状況ですが、5月通常診療再開までは、なんとか走らないと!

201604261436

こんな時でも、しろつめくさは例年通りに満開の季節を迎えます。

明日も頑張りましょう!

ガレージ診療1週間完了!

2016.04.24

「病院補修中でも診療はやる!
 患者さんのインスリン、内服薬を切らさない!」
という院長方針のもと、
緊急非常措置で始めたガレージ診療も1週間が完了いたしました。

NCM_0316
野外での診療・野外での処方など全く経験がなく、
避難訓練もここまでは想定したことがなかったため、
果たしてこれから一体どうなるのか全く予測がつきませんでした。

日々の様々な局面で生じる問題を
走りながら解決し乗り越えてきた日々でしたが、
おかげさまで、  
  4/18(月):190名
  4/19(火):101名
  4/20(水):124名
  4/21(木):120名
  4/22(金):126名
  4/23(土):100名
という、たくさんの患者さんに来院いただき、
滞りなく3週間分のインスリン・内服薬をお渡しすることができています。

病院の方は、土曜日に水道が復旧、トイレが使えるようになり、
システムも金曜日に復旧、医療機器の動作確認も完了しました。
4月25日(月)からは、医療機器の調整・精度管理を行い、
1階〜2階の外来環境整備の最終段階に入ります。

このため、4月一杯はこのままガレージ診療の状態が続く見込みです。
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雨天の日に、野外テントでお待ちいただくのは、
かなり心苦しいのですが、何卒お許しください。

しかしながら、今が4月という、
熊本では比較的過ごし易い季節であることが不幸中の幸いです。

熊本地震も、余震の発生数が観測史上最多を超える
未体験ゾーンに入ってきており、長期化も予想されます。

自宅の全壊や半壊で
避難所生活や車中泊を強いられているスタッフも多数おりますが、
今週に入って、元気な姿で職場復帰するスタッフも出てきました!!!

NCM_0318

この笑顔がみんなのパワーになります。

5月の外来通常診療再開に向けて、
来週も頑張ってまいります!!!

ガレージ診療4日目

2016.04.21

21日(木)、予報どおりの朝から雨です。

診療開始時間の1時間前に出勤した時点で、
すでにテントの中に患者さんの姿が・・・

201604210748

雨はしのげるのですが、
このタイプのテントだと、
屋根を中央部を支えるパイプを伝って
雨の雫が落ちてきます。

どうしようか悩むスタッフに、患者さん、
「よかよか。こりゃ、しょ〜がなかよ。
 こっちにおればよけられるけん。」
と笑っておっしゃってくださいました。

本当にご不便をおかけして申し訳ありません。
なるべく待ち時間短く、診療と処方が受けられるように努力いたします。

さて、本日は、ガレージ診療中のスタッフの姿を
一部、ご紹介。

こちらは、なにやらディスカッション中の熊高-熊大OBのDr’s。
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いつもは別々の診察室でのお仕事ですので、
一緒に話す時間がなかなかとれないのですが、
この緊急非常態勢では、いつもの3診態勢がとれず、
3人一緒に医療相談の机に座っているため、
時々、なんだかまるで医学生な感じで
おしゃべりしてる姿がみられます。

もしかしたらここから、すごい研究プランが生まれるのかも?

そしてこちらが今回のガレージ診療の心臓部のガレージ薬局。NCM_0275
これ、月曜の朝からみんなで小一時間で設営したんですよ!
すごくないですか?!

もちろんインスリンも各種大量取り揃え!
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絶対インスリンはお渡しできます!
ご安心を!!

患者さんの目にふれないバックヤードも頑張ってます。

こちらは炊き出し班。
弱圧ながら水道供給がある野外でお鍋洗浄中!
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結構ツライ状況にもかかわらず、いい笑顔!

炊き出しの様子は、まだ写真が撮れておりません。
改めて取材にいきまして、ご紹介いたしますね。

こちらは断水により最も過酷なトイレ環境整備班ですが・・・
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・・・明るすぎるっっ(笑)
NCM_0303
偉いぞっっ!
この写真、しっかり下心をもって
院長に見てもらおうねっっ!


さて、昨日のブログに、
これこそ下心丸出しで書いたヘルメット、
大量get。
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みえみえの下心に大人の寛容をもって自社のヘルメットかき集めて
お貸しくださった卸しさん、メーカーさん、
ありがとうございました!

現在、急ピッチで館内の天井・壁材を
職人さんが鮮やかなお手並みで修復くださっていますが、
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壁材くずれたままの箇所、まだございます。

そんな中、館内で電話対応、受付、カルテ出しを担当するスタッフや
1F〜2Fの環境整備を行っているスタッフの身の安全が確保できました。
本当にありがとうございました!
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他部隊の活躍は、なんとか時間みつけて撮影に行って
明日から少しずつupしていきますね。

こちらは、震災発生直後から病院入りし、
連日、超早朝から閉館まで動きづめの川口総師長。
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本日10:23に、大雨洪水警報が出た段階で、
「午前中で診療を止めましょうか?」との問いに、総師長、
「いえ、患者さんには3時まで受付とご案内しています。
 患者さんも大変な中、こちらに来ていただいています。
 最低限の対応ができる人数は残して予定どおりやりましょう。」
とおっしゃって、一部スタッフを先に帰宅させ、
本日も最後までお仕事されてました。

総師長さんがいるから頑張れます!!!

 

さて、ここで業務連絡です。

4月から久留米大に移動した当院非常勤医師の栗並Dr!

このスタッフの頑張りをみて、涙で画面が見えなくなったら、
可愛いスタッフを労う休憩のおともに、
美味しいお菓子と
粉末タイプのスティックコーヒー、スティックミルクティーを
スタッフ支援物資として
ASAPで陣内病院まで宅急便で送ってください(笑)。

熊本への宅急便の配達集荷、19日から再開されてるそうなので、
待ってますっっ!!!

ガレージ診療3日目

2016.04.20

ガレージ診療が始まった18日の夜のこと。

うちのブログをみた日経メディカルの編集者さんから、
「ぜひ、この内容を日経メディカル Onlineにて紹介させていただけないでしょうか。」
とのメールが届きまして、
昨日、19日、日経メディカル Onlineの熊本地震の速報として紹介されました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/int/201604/546605.html

公式ブログの初発の記事ですので、
まだ検索ヒットも低い段階です。
どうやってたどり着いたのかわかりませんが、
よく見つけるもんだな〜と驚くことしきり。

さすがにプロフェッショナルな情報収集力に脱帽!

 

さて、本日も1日、ガレージ診療をおこないまして
終業後の18時。
1台のトラックがガレージ横に到着。

なにやら立て込みが始まりました。

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こちら、明日から雨天となる、ということで、
来院された患者さんが処方を待っている間、
雨をよけられるテントを張れないか、との要望がDr方からあり、
「今からテントの調達は無理でしょ〜〜〜」と言っていたのですが、
当院売店の鶴本のミラクルアシストにて
テントが2張、調達できたのでした。

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望みがかなってご満悦でテントを写真撮影する院長の図。

このガレージ診療、
どうも4月一杯続きそうです。
5月からは、改修が完了した陣内病院の1〜2Fにて
通常外来の再開を目処に頑張っております。
ご不便おかけいたしますが、
いましばらくは、非常態勢での診療にてご辛抱くださいませ。

さて、テントを張り終わって19時過ぎ。
今度は1台の車が到着。

株式会社PROVIGATEの関水さんです。

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関水さんは、血糖値を涙で簡易測定できるよう
涙糖を研究、涙糖測定器の実用販売をめざし
東京でベンチャー起業された方です。

今回、我々が被災したことを知り、
我々が欲しかったウェットティッシュやブルーシート、カセットコンロなどを
支援物資として自ら持ってきてくださいました!

当院では、過年来より、
「患者さんはもちろん、健常者の方でも
 痛みなく自宅で血糖が測定できるようになるならば」
ということで、関水さん達の涙糖の研究にご協力いたしておりまして、
何人かの患者さんには、
「玉ねぎの汁をアイボンのキャップに入れて
 目を近づけて涙を流していただく」
という若干の荒技(笑)で
研究検体である涙の提供にご協力いただいております。

患者さんにご協力いただきました涙を解析の結果、
涙糖が血糖の指標として有効であることを示すデータが得られたそうで、
ベンチャーキャピタルからの追加資金も調達し、
開発も順調に進んでいる、との由。

まさに患者さんの涙の結晶デス!

痛くない血糖測定器を当院で使える日も
どうやら夢物語ではなくなってきたようです。
楽しみですね!

関水さん、本日は高速が使えない中、
福岡から3時間かけて車を一般道を運転してきてくださり、
支援物資を届けるや、再び福岡へ向けて車を走らせていきました。

長時間のドライブ、本当に恐縮でした!!!

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また、関水さん以外にも、
本当にたくさんの方から、様々な支援物資や労務支援、いただいております。
改めて、たくさんの方に支えられているんだ、と
本当に有難く思っております。

熱いご支援、ありがとうございます!!

みなさんの支援を力に頑張ってまいります!!!