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陣内病院ブログ

熊本のお城のおはなし

2016.10.31

先週末、理事長宛にこんなお手紙が届きました。
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陣内冨男、ご多分にもれず『熊本城城主』でありまして。

熊本城一口城主制度で集められた「熊本城復元整備基金」の残高、
現時点で約6億円あるそうなのですが、
これを基金の趣旨である「熊本城復元」の前に、
まずは現状の「復旧事業全般」に活用することに対して理解を求める旨と、
新たに災害復興支援金を募る「復興城主」制度を始動させることを
現城主にお知らせするお手紙だったのでした。

熊本地震以降の熊本城、被害甚大にて城内立ち入り禁止、
今もまだ、お堀越しにしか見ることが叶わない状態です。
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5月に街中に用があって、帰り際に二の丸広場に立ちよった際には、
観光客の姿はほとんどなく、
以前、くまもとよかとこ案内人の草部さんに教えていただいた
大天守、小天守、宇土櫓が重なってあたかも三連の天守に見えるポイントに、
おそらく同じく、仕事の移動途中に立ち寄った感じの
地元のサラリーマンと思しき方々がちらほらと、
震災疲れもあってか、一様に言葉少なく、ぐったりした様子で
城を仰ぎ見る姿が見られ。

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ため息が聞こえるくらいの静けさの中、
誰かが思わず呟いた、

「・・・哀れなもんじゃのう。・・・」

という、なんだか時代がかった言葉に、皆、声もなく。

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熊本市民にとってカッコイイのが「当たり前」だった熊本城。
その熊本城が、こんな姿になってしまうなんて!!!

実際に自分の目で見ると、
胸がふさがるような身の置き所のない思いに襲われます。

戦国の時代に、城が落ちた國の民衆の気持ち、斯くやあらん。

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うっ、屋根瓦の下の漆喰から雑草生えてきてるし(涙)

その後、夏休みには、観光客も来られるようになり、
9月に入って再開された、くまもとさるくのガイドさんの語りに、
お城も賑わいを取り戻しつつありますが・・・

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やはり、震災前のあの姿に戻した〜いっっ!!!
というのは熊本市民、皆が抱く願いかと。

熊本市の試算によりますと、復旧には
概ね20年、6百億円が必要なのだそう。

6百億のイメージがさっぱりわかない小市民ではありますが、
微力ながら、とるものもとりあえず、
明日11月1日から始まる「復興城主」になろう!
と思っているところであります。

 

こちらはある日の二の丸公園。

家族旅行で熊本城を訪れたものの、
ひたすら外堀沿いを歩くだけのお城めぐりに疲れて
家族の輪から遅れてしまった少年が一人。

見かねた城内管理人さんが
加藤神社まで行けば、お城がもっと近くで大〜きく見られるから。
 もうちょっとお母さん達と一緒に歩いてみよう!」
と励ましている場面に遭遇。

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崩れた城郭や石垣、大人には感慨深いですが、
お子さんには、そりゃ〜つまんないだけだよね(汗)。

僕、どうか20年後、大人になってから、もう一度熊本城に来てね。

その頃には、日本一カッコイイお城と
遠く阿蘇まで臨める天守閣からの眺めを見てもらえるように、
みんなで頑張って復興するよっ!!