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陣内病院ブログ

熊本地震被災

2016.04.17

ホームページをリフォームして初めての公式ブログにUPする記事が
こんな記事になるとは夢にも思っていませんでした。

4月14日(木)21:26に震度6弱の地震発生で始まった「熊本地震」にて
当院全館が被害を受けております。

什器が倒れ、中にあった資料、PC機器類が
部屋中に散乱。
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開院の1977年から保存しているカルテ倉庫に至っては、
この状態。
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部屋の1/3の高さまでカルテの海。
水深1~1.5mといったところ。

壁面の崩落も多数。
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こちらは病棟の病室の壁です。

最初の地震直後より、
入院患者さんがこのまま館内で夜を明かすのは危険、という判断にて
すぐに院外避難所に退避の後、
翌朝までには、帰宅・転医・転所を完了しました。

その後も、ずっと余震が続いている状況です。

診療に必要な医療機器やシステム機器は幸いなことにほぼ無事なのですが、
大きな揺れが来ると一時的な停電が起こるため、
安定的な稼働は望めません。

何より、断水のために検査機器や透析機器が正常稼働が不可能な状況です。

水道局からは、完全復旧まで早くて1週間かかるとの見込みが示されており、
透析患者さんについては、15日の朝に、
災害拠点病院である済生会熊本病院の透析センターに緊急受け入れを要請し、
治療内容の引き継ぎと患者さんへの連絡を完了しました。

外来診療については、断水で検査ができないため、
当院の完全な診療が提供できない状況にありますので、
15日(金)は定期処方のみの対応とさせていただきました。
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ただ、これも16日未明にあった
(現時点で本震とされている)震度6強の地震によって、
壁面損傷、崩落がすすみ、
今後の余震(本震?!)によっては、
もはや倒壊のおそれも否定できない状況です。

また、館内のどこかで水道管の破損があったようで、
補助タンクから供給をはじめると
漏水でフロアが水浸しになってしまいます。
水道が回復したとしても館内への給水は不可能な状況です。

壁面・天井損傷箇所で情報ケーブルの断線もあっているようで、
外来フロアが業務システムのサーバに接続できなくなりました。

これにより16日(土)は館内での処方対応が難しくなり
病院裏の駐車場にて処方対応させていただきました。
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こんな状況でも、来られた患者さんの無事な姿を見て、
言葉をかわし笑顔をかわせると、お互いに本当に安心できます。

この日は、出勤できるスタッフのみ、で
処方対応と自力でできる範囲の復旧作業をいたしまして、
終業いたしました。
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スタッフも皆、一様に自宅でも病院同様の被災状況があり、
片付けては余震で散乱する、家具が倒れ壁面が崩落する、といった状況で
家の中では寝られる状況になく、
車中生活や避難所生活を余儀なくされていたり、
16日未明の本震で自宅が完全に倒壊した者もでてきております。

震源が浅い活断層地震、ということで、
揺れる時間そのものは短いのですが、
今まで経験したことがない突然突き上げるような揺れで
震度5〜6クラスの地震が毎日発生し、
10〜20分置きに震度3〜4クラスの余震が繰り返され、
震度1〜2クラスの余震については、
すでに気にならない位の常態になりつつあります。

断水の長期化で
被災地全域で飲料水が調達できない状況なのですが、
水の都である熊本にあっては、
本当に皮肉なことにその地下には阿蘇の伏流水が豊富にあります。

この地下水脈が、
ひたすら続く余震で地盤の液状化現象をもたらし、
道路が地割れをおこし、泥水が噴き出す箇所も増えてきました。
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これを見るたびに、
インフラの寸断や、地盤沈下による家屋倒壊といった
二次災害被災に対する危機感もつのり
我々の心を不安定にしています。

患者さんもスタッフも、熊本市民全員が、
体力的にも精神的にも非常に厳しい状況にあります。

余震が収まらないことには、
復旧作業もままならない状況です。

はやく余震がおさまりますように!
これ以上、熊本の被害が拡大しませんように!

被災された方すべての無事と安全を祈っております。
本当に辛い状況ですが、なんとか皆で頑張って乗り越えましょう!!!