5月に入りまして、1日は日曜日。
館内補修作業で発生する粉塵対策のために
精密機器をまとめて保全した部屋を
当面のサーバ室として機能させるために休日出勤したところ、
昨日、全館チェックが終わり、
現時点での安全宣言があったとの朗報がありました。
よかった!!!
心配していた看板も大丈夫!との由。
新館の赤レンガ調のタイルが崩落した部分の補修も完了です。
ただ、この剥がれたタイルは、
里美理事チョイスの有田焼の特注品であり、
同じものの入手は不可能との由。
となると、このコンクリ補修のまま、ということになりそうです。
なかなかせつないですが、仕様がないですね。
窓の告知もリニューアル完了です。
やっぱ、左読みだと一目でわかりますね。
左読みの威力、改めて確認(笑)
この土日で外壁同様、内壁の補修も急ピッチで進んでいました。
一番、崩落が激しかった3F病棟の内壁が
現段階でこんな感じ。
陣内病院は、ホームページの沿革にてご紹介しております通り、
昭和54年に旧館(外壁が白い壁)が完成、
その後、昭和58年に新館(外壁がレンガ調のタイル)が増築されております。
こちらは3F。左が新館、右が旧館のつなぎ目の部分。
現在、つなぎ目のカバーが取れてしまっており、
旧館と新館の隙間が見えてしまっております。
この隙間は、2つの異なる建物が地震にあった際、
それぞれの建物が固有振動で別々に揺れても干渉しないための
耐震対策として開けてある隙間であり、
地震の際には、そのカバーが取れるように施工されています。
要するに、これ、隙間が空いていて正解!
カバーが外れて正解!なのですが、
被災直後は、それを知るスタッフが少なく、
「地震で建物に隙間ができた!」と思い
恐怖のどん底に落とされたスタッフ多数。
「知らないこと」が無用の不安を産みました。
今の建築だと増築の際は、
壁と壁の間を10cm位あけるんだそうですが、
うちの場合は5cmで施工されておりますので、
隙間に落ちる心配はありませんが、
カバー補修が終わるまでは、
つまずかないよう足元の注意が必要ですね。
この旧館も新館も、理事長曰く
「(支柱は)岩盤に当たってからも、よけいに打ち込んである」
〜ということで、
その時々の耐震基準を完全にクリアする設計施工で出来上がっております。
このため、旧館は
旧耐震基準の「震度5程度の地震に耐える」の条件と
昭和46年に強化された「鉄筋コンクリート構造建物の柱帯筋の基準」を
クリアしておりますし、
新館は、
昭和56年に出された新耐震基準「震度6強以上の地震で倒れない」の条件を
クリアしております。
また、病院立地の地盤もギリギリで「砂礫質台地」に位置しておりまして、
比較的揺れにくい地盤にあります。
(もう少し立地が南であれば、谷底低地で揺れやすい処になります)
朝日デジタル揺れやすい地盤より
これにて、今回、予震と本震、その直後の余震にて、
合わせて4度の震度6をくらい、
観測史上初の1,000回を超える余震にも耐え、
壁材崩落はあるものの、倒壊を免れることができています。
この現実を経験すると、
これまでいくつか報道であかるみになった耐震強度偽装事件、
改めて言語道断な事件だと実感しますネ。
リスクが把握できてないと、
いざという時の対処がどうしたって甘くなります。
こちらは2F患者食堂へ向かう内壁。
現時点で、支柱・鉄筋は大丈夫、ということなのですが、
壁材は、何トンという巨大な力の余震と本震で
コンクリートが一気に圧縮されていますので、
今後の余震によっては、再びの崩落のリスクはあります。
また、考えたくはありませんが、
活動する断層が複数に拡大してきている以上、
今後、震度6を超える本震が来る、という最悪のシナリオも、
絶対にない、とは、もはや誰にも言えない状況です。
やはり備えておかねばなりません。
過日の全体会議でも、
外来診療再開後、再び震度6を超える地震が発生した場合の、
避難経路・避難誘導についての検討も行っております。
昼の部門ミーティングでちらっとその話を出したら、
夕方の全体会議では出来上がっていた
外来主任、藤野Nrs作の避難経路図(案)がこちら。
いつもながら、仕事はやっっ!!!
これに基づき、いざというときに、
患者さんの安全を守るための最善の措置、
来週、検討を詰めてまいります。
5月9日(月)に館内での通常診療を再開する予定ですが、
今後、余震が続く間は、
いつでも避難できる状態を確保する措置をとりますので、
ご来院される患者さんにも、
いくつかご協力とご理解をお願いすることが出てきます。
この辺は、ご来院の際に、待合室にてご案内さしあげますので、
余震が続く間は、どうか事情をご理解いただきまして、
ご協力いただきますようお願いいたします。
上にupしました壁面のヒビや崩落部分の補修ですが、
おそらく、今後、資材が確保できしだい、塗装が施されます。
補修跡が痛々しい、恐ろしい、と言われれば、その通りなんですが、
じっと見ていると、不謹慎な言い方かもしれませんが、
モダンアートとしてはかなりイイ線いってるような気が・・・(笑)。
やっぱ、職人技って、すごいっっ!!!