腎臓を診る(透析予防指導管理)

腎臓を診る(透析予防指導管理)

糖尿病と腎臓

高血糖の状態が10年以上にわたり、血管機能が低下し、動脈硬化が始まると、細かい血管の集まりでできている腎臓の機能も低下していきます。腎機能が低下すると、体内の老廃物を十分に排泄できなくなります。一度失われた腎臓の機能は元に戻りません。機能低下が進行して腎不全に至れば人工透析を行わなければ命を保てなくなります。

腎不全になるメカニズム

腎臓を守るために

腎機能の低下もまた自覚症状がほとんどありません。
気づかないまま第3期の段階まで腎機能の低下が進んでしまうと、もとどおりの回復は難しくなりますし、進行を食い止めるためにより厳格な治療管理が必要になってしまいます。
このため、回復が可能な早期の段階(第1期、第2期)でしっかり健康管理を継続いただくことで、腎機能を維持していただくことが大事になります。
当院では、外来受診いただく際の定期的な血液と尿の検査によって、腎機能のチェックを行っています。自分の腎臓の機能を知り、腎臓を守るための治療管理も併せて行っていきます。

検査値を確認しよう

当院では、糖尿病手帳に、腎機能検査の結果を記録してお渡ししています。
クレアチニン、e-GFR(イージーエフアール)、尿中アルブミン、尿たんぱくの検査数値を確認し、今の腎臓の状態がどうなのかを知っておきましょう。
検査値の詳細はスタッフがご説明しますのでお気軽にご質問ください。

家庭血圧を測りましょう

腎機能を低下させないためには、腎臓に余分な糖の処理をさせないための血糖コントロールに加えて、腎臓の細かい血管に負担をかけないための血圧コントロールが重要です。
血糖同様、血圧も日内変動がありますので、普段の生活の中でご自身の血圧がどの位なのかを知っておいていただくことが大前提ですので、家庭血圧の測定をお勧めしています。 家庭血圧のコントロール目標は125/75未満です。

藤野看護師の指導写真

透析予防指導管理を行っています。

腎機能低下が始まると、より厳格な血糖コントロールと血圧コントロール、腎臓に負担をかけないための食事制限(塩分・タンパク制限)が必要となるなど、治療と自己管理の内容が変わってきます。
この段階でコントロール不良な状態が続くと、腎機能の低下はどんどん進みます。
腎不全の状態に至ってしまうと、生命維持のために人工透析をしなければならなくなりますので、しっかりコントロールしていただくことが必要です。

この時期の自己管理をサポートするための保険診療が「糖尿病透析予防指導管理」です。

糖尿病透析予防指導管理(保険点数350点)
対象者:HbA1cが6.5%以上で糖尿病性腎症第2期以上の方

糖尿病性腎症の進行段階

当院では、糖尿病内科専門医、循環器内科専門医、腎臓内科専門医3つの領域の専門医の監修により、腎機能の低下を止め、全身の血管とトータルで良好な状態に保つための個別の療養指導プログラムを提供しています。

  • あなたの腎臓は今どうなっているのか
  • 腎機能を低下させず、良好な状態を維持するためにどうしたらいいのか

腎臓の詳細な検査と血管診断を行い、当院医師と看護師、管理栄養士が詳しくご説明いたします。