陣内病院ブログ

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復旧作業進行中!

2016.04.27

本日は朝から雨。
今週は明日まで雨模様の予報。

テント内での待ち時間は辛いはず。
本当に申し訳ありません。
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また、今週に入って、お電話での問い合わせが増えてきております。

4回線で間に合わなくなり、
一部、自動応答メッセージにて
時間をずらして再度お電話いただくよう
お願いしなければならなくなりました。

本日、お電話がつながりにくかった患者さんには、
本当に申し訳ありませんでした。


避難訓練想定外、未体験ゾーンであったガレージ診療も
スタッフ全員の献身的な連携プレーで維持できておりますが、
Dr方としては、専門医でありながら、
限られた対応しかできないこの状況に、

「患者さんとお話するのも大事なんだけど、
 やっぱりもどかしいね〜。
 本当は被災直後の今こそ、
 ちゃんと検査して診てあげなきゃいけないのに!」

としびれを切らしておられます。
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しかしながら、もうしばらくこの状態でやらざるを得ない状況です。
何卒、何卒、お許しください。

 

さて、1~2Fの補修工事が最優先で進む中、
ほぼ本震直後の惨状のままで放置されていたのが、3F以上のフロア。

今日は、その3F以上のフロアの補修工事の準備が始まりました。

こちらは4Fの透析室。
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施工業者さん達が、
何やら指し棒のようなもので、壁面をなぞりながら、
「ここはコンクリ、ここが支柱、ここは石膏ボードだから・・・」
などの会話が飛び交います。

これ、「打診棒」というのだそうで。
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先端の丸い金属を、壁面に滑らしたり、
軽く叩いたりすることで出る「音」の細かな違いで
壁材の種類や、外からは見えない内部の浮きや剥離がわかるのだそう。

写真撮影している間、ずっと一緒に音を聞いていましたが、
私に聞き分けられるのは、
壁の上を金属の玉が「擦って」いるのか、
「叩かれて」いるのかの違いのみ(涙)

熟練の職人さんって、すごいっっ!!!

市内全域で補修工事が始まっており、
職人さんにおかれましては、
激務も甚だしい状況、と拝察いたしますが、
患者さんが安心して診療を受けていただけるよう、
ぜひぜひ、よろしくお願いいたします!


そんな中、
補修工事とお片づけの優先順位のヒエラルキーの最下層になっているのが、
Dr各自の執務デスクがある4F医局。

最初の地震の後、みんなで倒れかかった什器をとりあえず床に安置し、
ざっくりとお片づけをすませて帰ったその夜に本震をくらって、
再びこの惨状。
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どこから手をつけたらいいのやら。
片付いたとして、次の余震がきたら、またこうなるわけで。

入り口でこの光景をみただけで心が折れてしまって、

「・・・1階と2階を先にしよう。」

と固く思い定めて本日まで完全放置してまいりましたが、
こちらも、外来環境がおおよそ回復した今日から
ようやく手を入れ始めまして、
明日には、各自のデスクまで障害物競争することなく
たどりつける状態にはなるはずです。

こちらは院長室。
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・・・ま、院長先生に関しましては、
「あんまりいつもと変わらないんじゃ?」という噂もあり(笑)。

さて、ここで再び業務連絡です。

院長先生、
ここから「いるもの」と「いらないもの」を
ダンボールに仕分けをしていただけると、お片づけのお手伝いができます。
なるべく早めに、ご対応いただきますようお願いいたします(笑)。


ガレージ診療2週目突入!

2016.04.26

熊本地震11日目の朝-。
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熊本市内は霧がおり、
なんだか幻想的な風景の中の出勤となりました。

ガレージ診療の朝は、
受付事務の古庄の「開店ガラガラ」で始まります。
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「全部、一人でできますよ!
 私、バイク屋の娘でよかった〜〜〜」
とは古庄の弁。
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ホント世の中、どこで何が幸いするかわかんないよね(笑)。

地震でひび割れ、くずれた病院館内の壁材を補修するため、
病院の正面を閉鎖して入れないようにし、
ガレージへの誘導人員も増やして対応しているのですが、
それでも古くからの患者さんは、
勝手知ったる裏口から病院内に入ってきてしまうことがあり。
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「地震で壁がおちていて危ないですから、館内には入らないでくださいね」
と、外に誘導しなおすと、
「病院だから大丈夫かと思って」
と、言われる高齢者が続出。

「どこだって地震で中がぐちゃぐちゃになってて
 危ないってわかるだろうに、
 なんで建物の中に入ってくるんだろう?」
と話していたらば、
「昔は鉄筋の建物って病院くらいしかなかったから、
 戦争の時、まわりが焼けても病院だけ焼けずに残るじゃないですか。
 病院は爆撃されない、というのもあるし。
 だから高齢者には、‘病院は大丈夫’ ってイメージがあるんですよ」
とよどみなく答えたのは、医局事務の椎葉。

確かに〜〜〜!!!

しかし、何でそんなこと知ってるんだ。
実は昭和一桁だろ、という
年齢詐称疑惑で笑いあっておりました。

いろんなスタッフの意外な才能が発揮される
ガレージ診療であります。

 

さて、本日は半日診療日。

午後から、熊本港で給水活動をしている巡視船を見たいがために
疲れをおして熊本港へいっちゃいました。

今日、給水活動と入浴支援を行っていたのは、
海上保安庁の巡視船ではなく、
国土交通省の海洋環境整備船でした。

こちらは「海煌」
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バリバリのソナーがかっちょいい〜〜!

たまたま見ていた時間帯で
水補給のための船の交代があり、
海洋環境整備船「海煌」と「海輝」の
両方の雄姿をみることができました。

こちらが「海輝」
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わ〜い。両方見られて、らっき〜〜〜!!

港内にいた国土交通省の中の人によると、
三角港か八代港で給水タンクの水を補給して、
交代で給水支援を継続されているんだそう。

陸橋の崩落や路面のクラック、土砂災害などのインフラ障害で
道路からの補給線が絶たれる地震の際、
こうした海上からの補給って、機動力・供給力あって心強いですね。

また、今回、余震多すぎ!で、家で眠れない方々が
車中泊のための駐車場確保で、市内あちこちを多数さまよい、
翌朝にはガソリン給油渋滞がおこったり、
長引く断水によりお風呂に入れない方々が
夕方には銭湯の駐車場に入るための渋滞ができたり、
という、思わぬ大渋滞が発生しております。

実際、市内のスーパー銭湯にいったスタッフの話だと、
銭湯施設に入るために列をなし、
ようやく銭湯の中に入れたと思えば、
洗い場を使うために全裸で並ばなければならない、
といったような状態だそう。

熊本港の入浴支援だと、家族湯状態で入れるそうですよ。

大変失礼ながら、いままで、
国土交通省を身近に感じることがついぞなかったのですが、
なんか、テンションあがってすごいパワーもらえました。
本当に大変なお仕事、ご苦労さまです!

今週に入って、疲れが ‘身体の芯から’ な感じに変わってきてます。
かなり辛い状況ですが、5月通常診療再開までは、なんとか走らないと!

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こんな時でも、しろつめくさは例年通りに満開の季節を迎えます。

明日も頑張りましょう!


ガレージ診療1週間完了!

2016.04.24

「病院補修中でも診療はやる!
 患者さんのインスリン、内服薬を切らさない!」
という院長方針のもと、
緊急非常措置で始めたガレージ診療も1週間が完了いたしました。

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野外での診療・野外での処方など全く経験がなく、
避難訓練もここまでは想定したことがなかったため、
果たしてこれから一体どうなるのか全く予測がつきませんでした。

日々の様々な局面で生じる問題を
走りながら解決し乗り越えてきた日々でしたが、
おかげさまで、  
  4/18(月):190名
  4/19(火):101名
  4/20(水):124名
  4/21(木):120名
  4/22(金):126名
  4/23(土):100名
という、たくさんの患者さんに来院いただき、
滞りなく3週間分のインスリン・内服薬をお渡しすることができています。

病院の方は、土曜日に水道が復旧、トイレが使えるようになり、
システムも金曜日に復旧、医療機器の動作確認も完了しました。
4月25日(月)からは、医療機器の調整・精度管理を行い、
1階〜2階の外来環境整備の最終段階に入ります。

このため、4月一杯はこのままガレージ診療の状態が続く見込みです。
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雨天の日に、野外テントでお待ちいただくのは、
かなり心苦しいのですが、何卒お許しください。

しかしながら、今が4月という、
熊本では比較的過ごし易い季節であることが不幸中の幸いです。

熊本地震も、余震の発生数が観測史上最多を超える
未体験ゾーンに入ってきており、長期化も予想されます。

自宅の全壊や半壊で
避難所生活や車中泊を強いられているスタッフも多数おりますが、
今週に入って、元気な姿で職場復帰するスタッフも出てきました!!!

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この笑顔がみんなのパワーになります。

5月の外来通常診療再開に向けて、
来週も頑張ってまいります!!!


ガレージ診療4日目

2016.04.21

21日(木)、予報どおりの朝から雨です。

診療開始時間の1時間前に出勤した時点で、
すでにテントの中に患者さんの姿が・・・

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雨はしのげるのですが、
このタイプのテントだと、
屋根を中央部を支えるパイプを伝って
雨の雫が落ちてきます。

どうしようか悩むスタッフに、患者さん、
「よかよか。こりゃ、しょ〜がなかよ。
 こっちにおればよけられるけん。」
と笑っておっしゃってくださいました。

本当にご不便をおかけして申し訳ありません。
なるべく待ち時間短く、診療と処方が受けられるように努力いたします。

さて、本日は、ガレージ診療中のスタッフの姿を
一部、ご紹介。

こちらは、なにやらディスカッション中の熊高-熊大OBのDr’s。
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いつもは別々の診察室でのお仕事ですので、
一緒に話す時間がなかなかとれないのですが、
この緊急非常態勢では、いつもの3診態勢がとれず、
3人一緒に医療相談の机に座っているため、
時々、なんだかまるで医学生な感じで
おしゃべりしてる姿がみられます。

もしかしたらここから、すごい研究プランが生まれるのかも?

そしてこちらが今回のガレージ診療の心臓部のガレージ薬局。NCM_0275
これ、月曜の朝からみんなで小一時間で設営したんですよ!
すごくないですか?!

もちろんインスリンも各種大量取り揃え!
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絶対インスリンはお渡しできます!
ご安心を!!

患者さんの目にふれないバックヤードも頑張ってます。

こちらは炊き出し班。
弱圧ながら水道供給がある野外でお鍋洗浄中!
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結構ツライ状況にもかかわらず、いい笑顔!

炊き出しの様子は、まだ写真が撮れておりません。
改めて取材にいきまして、ご紹介いたしますね。

こちらは断水により最も過酷なトイレ環境整備班ですが・・・
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・・・明るすぎるっっ(笑)
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偉いぞっっ!
この写真、しっかり下心をもって
院長に見てもらおうねっっ!


さて、昨日のブログに、
これこそ下心丸出しで書いたヘルメット、
大量get。
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みえみえの下心に大人の寛容をもって自社のヘルメットかき集めて
お貸しくださった卸しさん、メーカーさん、
ありがとうございました!

現在、急ピッチで館内の天井・壁材を
職人さんが鮮やかなお手並みで修復くださっていますが、
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壁材くずれたままの箇所、まだございます。

そんな中、館内で電話対応、受付、カルテ出しを担当するスタッフや
1F〜2Fの環境整備を行っているスタッフの身の安全が確保できました。
本当にありがとうございました!
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他部隊の活躍は、なんとか時間みつけて撮影に行って
明日から少しずつupしていきますね。

こちらは、震災発生直後から病院入りし、
連日、超早朝から閉館まで動きづめの川口総師長。
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本日10:23に、大雨洪水警報が出た段階で、
「午前中で診療を止めましょうか?」との問いに、総師長、
「いえ、患者さんには3時まで受付とご案内しています。
 患者さんも大変な中、こちらに来ていただいています。
 最低限の対応ができる人数は残して予定どおりやりましょう。」
とおっしゃって、一部スタッフを先に帰宅させ、
本日も最後までお仕事されてました。

総師長さんがいるから頑張れます!!!

 

さて、ここで業務連絡です。

4月から久留米大に移動した当院非常勤医師の栗並Dr!

このスタッフの頑張りをみて、涙で画面が見えなくなったら、
可愛いスタッフを労う休憩のおともに、
美味しいお菓子と
粉末タイプのスティックコーヒー、スティックミルクティーを
スタッフ支援物資として
ASAPで陣内病院まで宅急便で送ってください(笑)。

熊本への宅急便の配達集荷、19日から再開されてるそうなので、
待ってますっっ!!!


ガレージ診療3日目

2016.04.20

ガレージ診療が始まった18日の夜のこと。

うちのブログをみた日経メディカルの編集者さんから、
「ぜひ、この内容を日経メディカル Onlineにて紹介させていただけないでしょうか。」
とのメールが届きまして、
昨日、19日、日経メディカル Onlineの熊本地震の速報として紹介されました。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/int/201604/546605.html

公式ブログの初発の記事ですので、
まだ検索ヒットも低い段階です。
どうやってたどり着いたのかわかりませんが、
よく見つけるもんだな〜と驚くことしきり。

さすがにプロフェッショナルな情報収集力に脱帽!

 

さて、本日も1日、ガレージ診療をおこないまして
終業後の18時。
1台のトラックがガレージ横に到着。

なにやら立て込みが始まりました。

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こちら、明日から雨天となる、ということで、
来院された患者さんが処方を待っている間、
雨をよけられるテントを張れないか、との要望がDr方からあり、
「今からテントの調達は無理でしょ〜〜〜」と言っていたのですが、
当院売店の鶴本のミラクルアシストにて
テントが2張、調達できたのでした。

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望みがかなってご満悦でテントを写真撮影する院長の図。

このガレージ診療、
どうも4月一杯続きそうです。
5月からは、改修が完了した陣内病院の1〜2Fにて
通常外来の再開を目処に頑張っております。
ご不便おかけいたしますが、
いましばらくは、非常態勢での診療にてご辛抱くださいませ。

さて、テントを張り終わって19時過ぎ。
今度は1台の車が到着。

株式会社PROVIGATEの関水さんです。

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関水さんは、血糖値を涙で簡易測定できるよう
涙糖を研究、涙糖測定器の実用販売をめざし
東京でベンチャー起業された方です。

今回、我々が被災したことを知り、
我々が欲しかったウェットティッシュやブルーシート、カセットコンロなどを
支援物資として自ら持ってきてくださいました!

当院では、過年来より、
「患者さんはもちろん、健常者の方でも
 痛みなく自宅で血糖が測定できるようになるならば」
ということで、関水さん達の涙糖の研究にご協力いたしておりまして、
何人かの患者さんには、
「玉ねぎの汁をアイボンのキャップに入れて
 目を近づけて涙を流していただく」
という若干の荒技(笑)で
研究検体である涙の提供にご協力いただいております。

患者さんにご協力いただきました涙を解析の結果、
涙糖が血糖の指標として有効であることを示すデータが得られたそうで、
ベンチャーキャピタルからの追加資金も調達し、
開発も順調に進んでいる、との由。

まさに患者さんの涙の結晶デス!

痛くない血糖測定器を当院で使える日も
どうやら夢物語ではなくなってきたようです。
楽しみですね!

関水さん、本日は高速が使えない中、
福岡から3時間かけて車を一般道を運転してきてくださり、
支援物資を届けるや、再び福岡へ向けて車を走らせていきました。

長時間のドライブ、本当に恐縮でした!!!

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また、関水さん以外にも、
本当にたくさんの方から、様々な支援物資や労務支援、いただいております。
改めて、たくさんの方に支えられているんだ、と
本当に有難く思っております。

熱いご支援、ありがとうございます!!

みなさんの支援を力に頑張ってまいります!!!